OPPOがリーズナブルな価格で展開する「Aシリーズ」の最新機種である、『OPPO A54 5G』をレビューします。
オッポのAシリーズと言えば、低価格がラインナップが特徴な一方で、「A5 2020」「A73」など同シリーズの機種においてはスペックが高いものはありませんでした。
ただ「A54 5G」は言わば控え気味だったAシリーズからの脱出を果たした機種となっています。
- 外装 : パープルを購入 かなりギラギラした筐体
- 動作が「重い」悩みから脱出
- Android 11と5Gに対応 高いリフレッシュレートでヌルヌル動く
- 日本のOPPOでは初の「側面指紋認証」
- 写真は色合い薄めに撮れる 指紋センサーでの撮影が便利
- 同梱品は「Reno5 A」同様に最低限
- 「性能アップ」を果たしたOPPO Aシリーズ A5 2020等からの乗り換え先に
外装 : パープルを購入 かなりギラギラした筐体
今回ご紹介しますのは、メインカラーと言える「ファンタスティクパープル」です。
歴代のAシリーズの機種とは異なる、かなり派手といえるカラーで、角度次第で見え方も変わってくるデザインです。
左上には4つのレンズとフラッシュライトを収めるカメラユニットに、右下にはOPPOのロゴが輝きます。
画面サイズは6.5インチと、「OPPO A5 2020」と同じ画面サイズで、有機ELであった「OPPO A73」とは異なり液晶ディスプレイです。
また画面下のベゼル、いわゆる「アゴ」部分は少し太めですが、全体的には画面縁は抑えられている印象です。
またこれまでは水滴型ノッチを採用していたOPPO Aシリーズですが、A54 5Gでは、シリーズ初のパンチホールタイプになりました。
6.5インチは今のスマートフォンでは一般的なものになりますが、小型機を好むユーザーも多い日本人から見れば大きい部類に入るように思います。
左は6.1インチのiPhone 11、中央がOPPO A54 5G、右がOPPO A5 2020です。
重さは実測192gとそこそこずっしりしています。
ただ同じ5000mAhの大容量バッテリー搭載の旧機種である「OPPO A5 2020」の198gからは軽くなっていて、数字では僅かな差ですが、手に持ってみると印象は全く異なります。
一方でOPPO Aシリーズには軽さを重視した164gで薄型軽量な「A73」もあります。
端末の側面には指紋センサーを兼ね備えた電源キー、左側面にボリューム調節ボタンとSIMカードトレイが格納。
日本で発売されたオッポ製品では初めて側面に指紋センサーがついている端末で、イヤホンジャックも搭載されています。
動作が「重い」悩みから脱出
OPPOのAシリーズは上述しているとおり、これまでは低価格なぶん、性能も抑えられた系統の機種でした。
ただOPPO A54 5Gでは「もっさり」などと評された過去のAシリーズから、かなりスペックアップを果たしています。
まずスマートフォンの性能を数値化する「Antutu Benchmark」のスコアは、OPPO A5 2020が165134点なのに対して、A54 5Gでは224517点となります。
筆者の環境下では3Dの計測ができなかったのですが、3Dも正常に測れた場合は25万点ほどのスコアになり、A5 2020・A73(いずれもSnapdragon 662)からは性能は確実に向上しています。
ベンチマークだけでなく、日常仕様における動作もかなり快適になっていて「Google Playストア」では、スクロール時やアプリのページを開く速さなどにおいて大きく進化を遂げています。
またSnapdragon 662のAシリーズでは、フリーズや大きなもたつきが見られたゲームアプリでも、A54 5Gでは確認した範囲ではそういった問題はありませんでした。
一度ロード時に「少し遅いか?」と感じたこともあるものの、肝心のゲーム中に不調なく動いていました。
Android 11と5Gに対応 高いリフレッシュレートでヌルヌル動く
続いてOPPO A54 5Gの「内側」のソフトウェア面ですが、Android 11(ColorOS 11)と5Gに対応・搭載します。ストレージは64GBのうち、およそ41GB利用可能。
実行メモリは4GBを備えますが、現時点ではReno3 Aなどが対応するメモリ拡張機能(仮想メモリ)には非対応です。
プリインストールアプリはOPPO・Goolgle系以外では「WPS Office」「アゴダ」「Facebook」がプリインストールされており、いずれも不要であれば削除することができます。
そしてOPPO A54 5Gの特徴的な機能の1つは「最大90Hzのリフレッシュレート」に対応している点。
OPPO A5 2020と比較すると、OPPO A54 5Gのスクロールはかなり滑らかな事が分かります。
一部のアプリでは60Hzになるものの、これまでのAシリーズとは使用感覚は相違するものになるでしょう。
日本のOPPOでは初の「側面指紋認証」
OPPO A54 5Gでの新しい面として、指紋センサーが電源ボタンと兼用になったことが挙げられます。
これまでは背面かディスプレイ内のいずれかに指紋センサーがあったのですが、本機種では初めて側面に置かれることとなりました。
認証速度はディスプレイ内指紋認証搭載であった「OPPO A73」よりは確実に高速で、背面指紋認証のOPPO A5 2020とはほぼ同レベル。
筆者は画面内派なものの、端末裏側よりは側面のほうが使いやすいと感じました。
それと後述していますが、このセンサーを使って写真も撮れるので意外と幅広く扱えます。
写真は色合い薄めに撮れる 指紋センサーでの撮影が便利
続いては「OPPO A54 5G」のカメラについてですが、まず便利に感じたのは側面にある指紋センサーを用いいてシャッターを切ることが可能なところ。
カメラの設定から機能をオンにすることにより利用できる機能で、Reno5 AやFind X3 Proでは指紋センサーの位置の関係から機能自体がなく、A54 5Gだけで使えるのですが、これが地味に便利ですね。
押す必要もなく、触れるだけ。シャッターボタンに指が届きにくかったりすることが案外あります。
他社でも同様の機能を供える機種はありますが、日本のOPPOではこのモデルだけ。なにげにA54 5Gで大きく気に入ったところになりました。
つづいて作例。まずシーン次第では普通に鮮やかに取ることが出来て、画像左の花は肉眼に近いように仕上がりなのですが、左の水路は全体的に色が薄くなっています。
また広角モードも搭載されてますが、少し仕上げは荒くなる印象で、潰れている所もありますが、3万円の5G対応スマホである点を考慮すれば妥協できるように思います。
ズームは最大6倍まで対応。姉妹機と言える「Reno5 A」は20倍までのズームに対応していたので、ここは価格差でしょうか。
2倍まである程度鮮明に撮れるので、それ以上の拡大は実用性が分かれるところです。
それと夜景モードは一定のあかりが必要ですが、かなり鮮明に捉えられるようになっています。
一方で明るさが不足していると、赤がかった写真が撮れることもあります。
同梱品は「Reno5 A」同様に最低限
次いで同梱品。付属品はあるのですが、「OPPO Reno5 A」と同様に最低限に付属品となっています。
OPPO A73まではクリアケースに加えて、充電器一式・イヤホンがついてきていましたが、A54 5Gではカバーのみになります。
カバーは特にカメラユニットがしっかり保護されている作りとなっていて、電源ボタン部分にある指紋認証センサーは触れられるようにくり抜かれています。
「性能アップ」を果たしたOPPO Aシリーズ A5 2020等からの乗り換え先に
今回は5Gに対応し、スペックも「OPPO A5 2020」や「A73」など歴代のシリーズから大きくアップグレードしたOPPO A54 5Gをご紹介しました。
過去の同シリーズの機種は価格が抑えられた分、性能も抑え気味で、特に「もたつき」が弱点として指摘されていて、普通に使っていてもその傾向が見られていました。
ただOPPO A54 5Gでは日常的な利用用途から、ゲームまで幅広いカテゴリーを担える性能に向上。単にサクサク感が与えられただけでなく、90Hzのリフレッシュレートで、非常に使用感も高いものと
バッテリーもA5 2020と同じく5,000mAhを搭載しつつ軽量化。それ加えて急速充電にも対応しているのは、「Reno5 A」同様にしっかりとした進化を遂げたモデルと言えるでしょう。
一方で「カメラ」はOPPO Reno5 Aの方が良いなと感じる所。アチラは『カメラで選ばれたい』をキャッチコピーにしていて、全体的にまとまった作りになっています。
A54 5Gは引き続きリーズナブルな価格で提供されているシリーズであり、安く5Gを利用したい・サクサク動けば良いといったユーザー向けの製品であると感じました。
OPPO A54 5Gは30,800円が定価ですが、既にフリーマケットサイトやオークションサイトでは値崩れが起きていて、安価なものであれば16,000円ほどで購入が可能な個体も出品されています。
今回紹介したのはSIMフリー版で、安くなっている傾向があるのはau版ですが、SIMロック解除済みの端末ではSIMカードの仕様以外には大きな差異はないため、今かなりコストパフォマンスに優れた1台となっています。
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