昨今OPPOはスマートフォンを中心に日本国内においても人気を博しており、「OPPO Reno A」など売れ筋機種もあります。
ただOPPOで懸念点として度々挙げられるのは中国メーカーである事で、ファーウェイなど競合他社では政府からの制裁措置などの前例もあってか、同じ中国企業であるオッポへ安全性に対して疑問を投げかけられる事も少なくありません。
本記事では中華人民共和国のAndroidスマホメーカー『OPPO』の危険性などについて解説します。
- そもそも中国メーカー「OPPO」とは
- 「ブラックリスト入り」の中国メーカー OPPOは対象外?
- OPPO日本社長は「ファーウェイ」とは違う企業であると言及
- OPPOはアメリカ主導「Clean Network」にも含まれていない
- まとめ「OPPOは現状問題とされず危険であるとは言えない」
そもそも中国メーカー「OPPO」とは
まずOPPO(オッポ)についてですが、OPPOは2004年に中国で創業された民間企業で、現在は日本を含む40カ国以上でスマートフォンの販売を展開しています。
開発拠点は各国に複数構える巨大企業で、世界では5番目のシェアを得ているとされ、出身元である中国国外においても支持されているメーカーです。
日本国内へは2018年1月31日に上陸に伴う記者会見を開き正式参入を果たしました。
そこから同年2月よりSIMフリースマホを1機種を投入。翌年2019年にはおサイフケータイなど日本向け機能を搭載した「OPPO Reno A」を発売し、一躍人気と市場での立ち位置を得ることに成功しました。
ここから分かるのはOPPOは大きなグローバル企業であり、多国で事業を展開している大手メーカーで、少なくともスマートフォン製品に対する信頼は決して薄いとは言えないでしょう。
各国で人気を博しているのには、製品としての完成度が高く、また利用者からの信頼から評価されている事は言うまでもありません。
「ブラックリスト入り」の中国メーカー OPPOは対象外?
このように日本上陸から短い時間で、既に日本のユーザーにも広く受けいれられ、また広く周知されるようになっている『OPPO』と同社のスマートフォン。
ただ中国メーカーを語る上で、問題を提起する点として幾度なく挙げられるのはアメリカ合衆国政府からの制裁措置の存在です。
これは主に中華人民共和国政府及び、国軍(中国人民解放軍)の影響下にあると見做した中国企業に対して、米国国内の安全を脅かす恐れがある事を理由とし、一部の取り引き等を制限することを目的としています。
その制裁措置の対象とされている企業は数十以上にのぼりますが、中でも代表格と言えるのはHuawei(ファーウェイ)でしょう。
周知の通り、同社は今なお米国政府から制裁措置の対象とされており、主に禁輸対応や米国企業との取り引きが封じられてしまいました。
特に米国企業との取引が禁じられてしまったので、自社製品にGoogle Playストアが搭載できなくなってしまった状況。このようにスマートフォン事業を含め事業の存続を含め大変厳しい状況にあります。
そして2021年1月には、バイデン政権への政権移行を前にして、日本でも販路を拡大しているXiaomi(シャオミ)も、創業者の雷軍氏が中国共産党から表彰を受けた事がある過去の事例を理由とし、米国からの株などといった一部の取引を制限しました。
このようにアメリカから「ブラック認定」される中国系メーカーが相次いでいるのですが、一方でOPPOは筆記時点ではファーウェイのような措置や企業活動に対する制限などは一切講じられていません。
今後米国側が上記2社のように何らかの規制を設ける可能性は決して否定はできませんが、今の所は指定されておらず、現時点でOPPOはアメリカ政府から問題視されていないと見られます。
【追記 : 2021年3月15日】制裁措置を受けてたXiaomiでしたが、同社は米国政府に対して提訴を行い、米連邦裁判所はシャオミ側の主張を認めたことが分かりました。
また判決の結果Xiaomiに対する投資を禁ずる制裁措置が止められました。
— Xiaomi (@Xiaomi) March 14, 2021
OPPO日本社長は「ファーウェイ」とは違う企業であると言及
上述したようにOPPOのライバルらの一部中国メーカーは、中国軍事企業とされ、米国から一部投資行為の制限、あるいは禁輸などといった全面的な制裁を受けています。
そして前述の通り、OPPOは今の所そういった問題視はなされてはいません。そしてOPPO日本法人のオウガ・ジャパンの社長であるトウ・ウシン代表取締役は、2019年に当時排除が進められていたファーウェイ社と自社の違いについて、ライブドアニュースのインタビューで語られています。
日本政府は最近、HUAWEIの製品を政府調達から事実上、排除する方針を決めた。
この点について、トウ・ウシン氏にも聞いてみた。
するとトウ・ウシン氏は、
HUAWEIとZTEは中国政府が資本に入っているメーカーだが、
OPPOは完全独立の民間企業であり、そこが大きな違いだと強調した。そもそもOPPOはHUAWEIのように携帯基地局向けなどのいわゆる通信設備などの市場には参入していない。
純粋にスマートフォンを開発、製造、販売するメーカーで、日本で販売されている他社のSIMフリースマートフォンと同様に、各国の市場の法規に則った製品を提供し、既存キャリアの基地局を利用する立場であるという。
ファーウェイが問題視された経緯の1つとしては、中国政府との影響下にあると見做されている中で、各国で通信基地局を手掛けていた事がキッカケとされています。
これを米国側は携帯電話会社の基地局で採用されているHuawei製の機器によるスパイ行為を懸念し制裁措置へと進んだことが知られています。対するOPPOは現在スマートフォン事業が中心で、基地局などには関与しておらず、また民間企業です。
ここがOPPO Japan社長曰く、ファーウェイとの大きな違いであるといい、実際ファーウェイが問題とされた点をOPPOは持ち合わせていない訳です。
OPPOはアメリカ主導「Clean Network」にも含まれていない
上記では中国メーカーとアメリカの制裁について記述しましたが、実は米国は他にも主に中国へ的を当てた政策を昨年より講じています。
それは悪意のある攻撃的な侵入や、機密性の高い情報を含む国の資産を保護するための『CleanNetwork』プログラムで、当時トランプ政権だった2020年8月に開始されたものです。
この「悪意のある攻撃的な侵入」をする組織には、米国商務省からは『中国共産党』(中国政府)の名前が挙げられています。
これは6つのプログラムで構成されており、この内スマートフォンメーカーが直接関連するのは『Clean APPS』になります。
このClean APPSは、信頼できないスマホメーカーが、米国製アプリをプリインストールすることや、ダウンロードさせるのを防ぐことを目的としています。
この内ファーウェイは名指しで指定されていて、米国企業はHuaweiが自社製品向けに提供しているアプリストア「AppGallery」でのアプリ配信を停止する事を求められます。
このように「Clean Network」では、政府による制裁と規制措置のみに留まらず、徹底して信頼できない中国企業を排除したい意向が強く反映されている事がわかります。
して肝心のOPPOですが、現時点で名指しして信頼できないスマホメーカーとされているのは現状ファーウェイのみ。
既に当プログラムの発表から半年以上が経過していますが、今の所オッポは含まれておらず、信頼できるスマホメーカーとして分類されていると捉えられている可能性があると考えることもできます。
まとめ「OPPOは現状問題とされず危険であるとは言えない」
同じ中国発のスマートフォンメーカーである事から、Huaweiらと並べられ疑惑を持たれることも少ないOPPO。
しかし実際にはファーウェイなどに施行されている制裁を受けている事実は全くないのは現状で、今の所米国からは繰り返しになりますが、問題(中国政府や国軍との関わり)がある企業と認定されていません。
これは制裁だけでなく上述の「Clean Network」からも見て取れ、ファーウェイは名指しで含まれる一方で「OPPO」についての記述はなされていません。
つまり現状は危険性を示せる具体的な根拠はなく、他社のように政府などの公的機関・組織から疑いを掛けられている事実もない為、一つに危険性が高いメーカーであるとは言えないでしょう。
勿論絶対安全とも言い切れませんが、現時点では他社のような特に目立った不祥事も起こしておらず、中国出身であるだけで、会社自体に大きな問題のあるメーカーではないと考えられます。
最もOPPO製端末の購入と利用は、最終的には消費者の判断に委ねられますので、不安と思われるならば、他のメーカーを検討する余地もあります。
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Source1 : OPPOをたった1年で日本対応メーカーにしたOPPO Japan社長トウ・ウシン氏の実力とは - ライブドアニュース
Source2 : The Clean Network - United States Department of State
Source4 : Entity List