日本でGalaxyを取り扱っているサムスン電子ジャパン(Galaxy Mobile Japan)は、2022年4月21日に国内では初めてのSIMフリーモデルとなるスマートフォンを、Online専用モデルとして発表・発売しました。
普及価格帯と言われ、日本ではOPPOやXiaomiなどが争っている4万円台でのリリースとなった公開市場向け「Galaxy M23 5G」を実際にオンラインで購入し、入手しましたのでご紹介します。
- Galaxy M23 5Gはこれまでとは違う販売形態
- Galaxy M23 5G ライトブルーの本体
- Galaxy M23 5Gの付属品は少なめ
- ひっかかりを感じない程度の性能
- Galaxy M23 5GはデュアルSIMとSDが同時使用可能
- Galaxy M23 5Gで撮影した写真作例
- 特色少なめのベーシックなスマホ
- SIMフリースマホ「Galaxy M23 5G」の販路は限られる
Galaxy M23 5Gはこれまでとは違う販売形態
Galaxy M23 5Gは現在国内で発売されているSIMフリースマートフォンの中でも、注目を集めている1台となっていますが、それはこれまで日本でGalaxyが行ってきた販売展開とは大きく異なることにあります。
これまでサムスン電子ジャパンは、大手携帯電話会社など特定の通信事業者を経由してのみでGalaxyを販売してきました。
しかし本機種はそれまでの慣例を破って、利用者が任意の通信会社を選べる初めての『SIMフリーモデル』として展開されることとなったのです。
すでに日本のSIMフリースマートフォン市場においてはOPPOやXiaomiなどの中国系のメーカーらが人気を得ている中で、ギャラクシーもその中に投下されることとなりました。
筆者は Amazon.co.jp で事前予約。40,982円で購入し、4月23日に到着しました。
Galaxy M23 5G ライトブルーの本体
Galaxy M23 5Gはディープグリーンとアイスブルーの2色が用意されています。
ディープグリーンが目玉カラーですが、今回はアイスブルーの方を選びました。
背面の素材は樹脂となっていますが、その手触りはサラサラとしています。フラグシップモデルに見られる高級感はないものの、チープさも感じさせない仕上がりと言えます。
中国メーカーのデザインで見られがちな、光沢や反射などもない落ち着いた色合いで、スマートフォンとして尖りのないシンプルな印象を受けます。
外カメラのレンズは計3つを設けており、広角カメラとマクロレンズを専用に備えます。
また高価格帯モデルのGalaxyでは既に廃止されているイヤホンジャックはM23 5Gでは引き続き搭載されており、有線イヤホンを接続すると内蔵アプリでFMラジオを受信するアンテナとしての機能も兼ね備えます。
画面側は6.6インチの液晶ディスプレイを有しており、Androidスマートフォンでは6.5インチで収めている機種も多い中で、やや大きく感じます。
またベゼルレスディスプレイにおいて内カメラを落とし込むのに、OPPOなどは既にパンチホールを主流としていますが、Galaxy M23 5Gは水滴型ノッチを採用しています。
ほか物理キーは右の側面に集中して配置されていて、指紋認証センサーとしての役割りを持つ電源ボタンもあります。
デザインや質感は好感触ですが、5000mAhの大容量バッテリーを積んでいることもあって、ずっしりとした持ち心地です。
Galaxy M23 5Gの付属品は少なめ
SIMフリースマートフォンで支持を得ているOPPOやXiaomiなどの中国メーカーのスマートフォンの特徴として、付属品が充実していることが挙げられます。
低価格帯の端末であったとしても、高速充電に対応した充電器や画面保護フィルムや専用のクリアケースまでもが同梱されることも珍しくありません。
SIMフリーモデルのスマートフォンでは、このような機種が多く見られている一方で、Galaxy M23 5Gには必要最低限のものが付属品として同梱されています。
パッケージの中には、ギャラククシー専用のデータ移行アプリ「SmartSwitch」で他の端末との接続に利用できるType-Cケーブルの他、簡易的なクイックスタートガイドとSIMカード・Micor SDカードトレイを取り出すピンが用意されています。
残念ながら充電ケーブルや保護カバー・フィルムは付属されないため、ユーザーは必要に応じて別途用意する必要があります。
ひっかかりを感じない程度の性能
Galaxy M23 5Gに搭載されているCPUは「Snapdragon 750G」で、このクラスの性能を有するスマートフォンでは、日常的な使い方であれば著しい性能不足はなかなか遭遇しません。
Galaxy M23 5G上においても基本的に軽快な動作を実現していて、アプリの起動速度やスクロールなど、操作していて明らかに「もっさりしている」などの事象は今の所見られません。
スマートフォンの性能を数値として得点で表示できる「ベンチマークアプリ」のAntutu Benchmarkで本機種の計測を行ったところ、スコアは338202点となりました。
なお競合のOPPO Reno5 Aで過去計測を行ったときのスコアは373821点でした。
Galaxy M23 5GはデュアルSIMとSDが同時使用可能
日本におけるGalaxyスマートフォンは前述しているとおり、これまでは特定の通信事業者からのみ発売されており、携帯電話会社側の意向もあってか、SIMカードは1枚まででしか利用できないよう仕様が変更されていました。
ただGalaxy M23 5Gは国内正規モデルとしてデュアルSIMと待受に初めて対応するほか、SIMカードを2枚使用している状態でも、同時にMicroSDカードを利用できます。
Galaxy M23 5Gで撮影した写真作例
Galaxy M23 5Gにはメインカメラの他に、広角レンズとマクロレンズの計3つのトリプルカメラが採用されており、シーンに合わせた撮影が可能とされています。
本項目ではGalaxy M23 5Gで撮影した写真の一例を掲載します。
まずSIMフリースマートフォンで主力機種である「OPPO Reno5 A」と撮り比べたものですが、Galaxy M23 5Gはオッポなどよりも自然な色合いに近く捉えてくれる印象を持ちました。
もちろんギャラクシーでもある程度の補正も掛けられているのですが、OPPOとGalaxyでは、同じ4万円台前半の機種ながら仕上がりは大きく異なっており、好みは別れるでしょう。
またGalaxy M23 5Gは広角レンズを備えており、メインカメラでは収まりきらないような、より広い範囲を撮影することが可能です。
一方で写真の四隅の方はけっこう湾曲して見える仕上がりになることもあって、撮影シーンを選ぶ機能かもしれません。
ほか前述のとおりマクロカメラも有しており、左が通常モード(メインカメラ)で撮影したもの、右手がマクロレンズ(マクロモード)で撮影した画像です。
特色少なめのベーシックなスマホ
本記事でご紹介した「Galaxy M23 5G」は約4万円台で、国内向けGalaxyでは初めてのSIMフリースマートフォンとして投入されています。
ただ同価格帯の機種と比較して特異点がそれほど多く見られない、比較的ベーシックな構成な機種であると感じました。
例えば3,800円ほどの価格差のあるOPPO Reno5 AやMi 11 Lite 5Gでは、おサイフケータイ(FeliCa)や防水防塵性能を付与することで、SIMフリースマホ市場の中で地位を固めつつありますが、Galaxy M23 5Gはそういった日本向けの仕様は実装されていません。
一方で最大で120Hzの滑らかな表示に対応するディスプレイや5000mAhの大容量バッテリーなど、競合モデルでもあまり見られない特徴を有しているのも確かです。
それでも価格設定やFeliCa非対応など惜しいと感じる部分が多々あり、FeliCa対応機種はキャリア向けに投入しているため、今後の展開が期待されます。
筆者は端末の性能や機能面よりかは、「Galaxyが持つ特有の使い勝手をSIMフリーでも利用したい」あるいは「名のしれたブランドを選びたい」「情勢的事情から特定のメーカーは避けたい」など、そうした理由で選ばれていく機種になるのではないかとも思うところです。
SIMフリースマホ「Galaxy M23 5G」の販路は限られる
サムスン電子ジャパン(Galaxy Mobile Japan)が日本国内向けの公開市場モデルとして、はじめて発売したGalaxy M23 5Gはオンライン通販を中心に販売されています。
ネット通販大手の Amazon.co.jp のほか、家電量販大手のヨドバシカメラの「ヨドバシ.com」や、実店舗では東京都原宿にある「Galaxy Harajuku」でも販売されるとのことです。
なおOPPOなどSIMフリー端末を発売している他のメーカーのように、特定の携帯電話会社(MVNOを含む)での販売は行われません。